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親知らずについて知っておきたい7つのこと

親知らずってなに?

なぜ「親知らず」は「親知らず」と呼ばれるようになったのか知っていますか?
昔の人は現代人のように長生きではなく、40~50歳位までしか生きることができませんでした。そして、その歯が生えてくる頃(通常は20歳前後)には両親の顔をみることができなかった、ということから「親知らず」と呼ばれるようになりました。また、物事の分別がつく頃に生えてくることから「智歯」とも呼ばれています。

親知らずは、通常一番奥に生えている歯(7番、第二大臼歯)のさらに奥に生えてくる歯で、第三大臼歯と言います。

「親知らず=抜く」というイメージを持っている方も多いと思います。
しかし、すべての親知らずを抜かなくてはいけないという訳ではありません。
生え方によっては歯茎の腫れや痛み、虫歯、口臭などの原因になることがある為、抜いた方がよい親知らず、そして抜かなくてもよい親知らずがあります。

そんな親知らずについて知っておきたいことを紹介していきます。



1. 親知らずの生え方と種類

これを読んでいる方はご自身の親知らずが気になっている方が多いかもしれません。
しかし、親知らずは全ての方に全ての親知らずが生えてくる訳ではありません。上下左右4本全部生えてくる方もいれば、1本も生えてこない方、数本だけ生えてくる方など様々です。
そして、その生え方は様々です。まっすぐ上向きに生えているもの、斜めに生えているもの、横を向いて生えているものなど様々な向きのものがあります。その深さも、歯茎からきれいに出てきているもの、少しだけ出てきているもの、歯茎に完全に埋まっているものなど様々です。親知らずはその「向き」や「深さ」によって特徴が異なります。



2. 抜くべき親知らず

親知らずは様々な生え方により、周りの歯茎の腫れや痛みの原因となったり(智歯周囲炎)、隣の歯が虫歯になりやすい、などの悪影響を及ぼすことがあります。次のような場合は、親知らずを抜いてしまった方が良いことが多いです。

また、親知らずを抜いてしまっても、その前の歯までがしっかりと生えていれば、咬む能力はほとんど変わりません。そのため食事をする時に噛みにくくなるのでは?という心配はありません。

2-1.虫歯になりやすい場合

親知らずは最も奥に生えているため、歯ブラシが届きにくいことが多いです。そのため、汚れが溜まりやすく虫歯になりやすい歯です。このような場合は虫歯の治療をしても、再び虫歯になってしまうことが多くあります。また親知らずとその手前の歯の間も、汚れが溜まりやすく虫歯になりやすい場所です。 この手前の歯との間が虫歯になってしまった場合は、まず親知らずを抜いて、汚れの溜まりにくい環境にしてから虫歯の治療を行った方が、後に再び虫歯になる可能性は低くなります。


2-2.横向きや斜めに生えている場合

親知らずが横向きや斜めに生えている場合や、完全に歯茎に埋まっている場合は、問題となることは少ないです。しかし、歯茎から顔をのぞかしている場合は要注意です。親知らずと手前の歯との間や、歯茎の間に深い溝ができることがあります。このスペースは汚れが溜まりやすく、細菌が好む場所になります。その部分は歯茎の炎症を起こしやすく、腫れや痛みの原因となることがあります。
また、親知らずの手前の歯も虫歯になりやすくなります。
このように親知らずが原因で歯茎が腫れた場合は、歯科医院で消毒し抗菌薬を飲むことで、一旦は落ち着くことがほとんどですが、根本的な治療とはなりません。再び腫れや痛みが出ることがあるので、早めに抜いた方が良いでしょう。このような状態で今まで腫れたことのない方でも、今後腫れる可能性は十分あります。

2-3.親知らずに咬み合う歯が存在しない場合

上下どちらかの親知らずのみ生えており、咬み合う相手となる親知らずが存在しない場合があります。歯は上下で咬み合うことで、汚れを付きにくくする作用があります。咬み合う相手がいないと、汚れが溜まりやすくなり虫歯や歯肉炎、口臭の原因となることがあります。そして歯が伸びるかのように出てきてしまいます。すると咬んだ時に反対側の歯茎に当たるようになり、痛くて口を閉じることができなくなります。そのような事が起こる前に、咬み合う歯のない親知らずは、早めに抜くことをおすすめします。

2-4.口臭の原因となっている場合

以上のようなことから、親知らずやその周りの歯茎には汚れや細菌が溜まりやすい環境と言えます。虫歯で穴が開いてしまうと、そこにも溜まりやすくなります。これらの汚れや細菌は、口臭の原因となることがあります。親知らずが原因の口臭であれば、親知らずを抜くことによって、解決することができます。

2-5.歯並びに影響を及ぼしている場合

歯というのは、根の方から頭の方向へ動こうとする性質があります。
親知らずが手前に倒れ横向きに生えている場合、前の歯を押して歯並びを崩してしまうことがあります。この場合も、親知らずを抜いた方が良いでしょう。



3. 抜かなくても良い親知らず

親知らずが上向きにきれいに生えており、上下の咬み合わせに問題がなく、虫歯にもなっていない場合は、抜かなくても問題ありません。また、完全に親知らずが顎の骨の中に埋まっており、将来的に生えてくる可能性が少ない場合も、抜かなくても問題ありません。しかしこのようにきれいに生えている場合でも、親知らずは汚れが溜まりやすく虫歯になりやすい歯です。定期的に歯科医院で問題が出ていないかの確認や、クリーニングすることをおすすめします。


4. 親知らずを抜くのに適切な時期や年齢

4-1.何歳頃に抜くのがベスト?

できれば20歳前後で抜いておくことをおすすめします。
親知らずは、腫れや痛みを繰り返すうちに歯と周囲の骨が次第に引っ付いてしまうことがあります。また、加齢と共に親知らずの周りの骨は硬くなってきます。すると、親知らずを抜くときの負担が大きくなってしまいます。また、高齢になるにつれ免疫力が落ちたり、全身的な疾患により歯を抜くリスクが増すことがあります。骨粗鬆症や血液疾患などのお薬を飲んでいる方は、服用を中止していただくこともあり、それによる全身的なリスクが増えることがあります。

20歳前後の方であれば回復も早く、抜いた後の負担も少ないので、若いうちに抜いておくことがよいでしょう。

4-2.親知らずを抜くタイミングは?

親知らずの歯茎が炎症を起こし腫れてしまっている場合は、抜いた後に感染を起こしやすく、痛みや化膿の原因になります。抜いた後の出血も多くなったり、麻酔が効きにくいことがあります。
歯茎に炎症がある場合は、親知らずの周りの汚れや細菌が溜まっている状態です。親知らずの周りをきれいに清掃、消毒をして、抗菌薬を服用するなどして、腫れを落ち着かせてから抜きますのでご安心ください。


5. 親知らずを抜く前の診査

親知らずを安全に抜くには、その深さや向き、歯の形態、他の組織との位置関係を把握しておく必要があります。その為にまずお口全体のレントゲン写真を撮影します。それによってだいたいの状態が把握できます。より安全に抜く為には、歯の根っこの形や周囲の組織との関係などを、CT撮影による3D画像を用いた詳しい審査が必要となります。

特に下の親知らずは、その根の先の近くに下顎管という太い神経や血管が入った管が通っています。この管を傷つけてしまうと、大出血や麻痺を起こしてしまう可能性があります。

上の親知らずの根の先の近くには、上顎洞という骨の中の空洞があります。通常のレントゲン写真で、下顎管や上顎洞が親知らずの位置が近いと判断された場合は、さらにCT撮影を行い三次元的な位置関係を把握して、抜歯を行う必要があります。


6. 親知らずを抜いた後に気をつけること

6-1.抜いたい直後はガーゼを噛む

歯を抜いた後、30分ほどガーゼを噛んでいると通常血が止まってきます。その後、まだ血が多く出る場合は再度、ガーゼやティッシュを強く30分程度噛むと次第に血が止まってきます。通常翌日くらいまでは唾に多少血液が混じることがありますが、血が滲む程度であれば問題ありません。

出血を気にして頻繁にうがいをしたり、強くお口をゆすいだりすると、止血を阻害する恐れがあるので控えましょう。

6-2.血行の良くなる事は避ける

当日はお酒を飲んだり、激しい運動をしたり、熱いお風呂に長く浸かったりすると血行が良くなり、出血や痛みの原因となるので控えましょう。
歯を抜くと通常、抗菌薬と痛み止めのお薬が出ます。抗菌薬は化膿止めのお薬ですので、指定された分はしっかりと飲み切るようにしてください。痛み止めは麻酔が切れた際、痛みを感じた時は我慢せずに飲むようにしてください。

6-3.抜いた後の傷口はむやみに触らない

傷口が大きい場合は、歯茎を糸で縫うことがあります。通常1週間程度で糸は取りますのでご安心ください。

抜いた後の傷口は穴が開いており、しばらく気になるかもしれません。気にして舌や指で触ると、新たに傷を作り細菌に感染して、腫れや痛みの原因になることがあるので、出来るだけ気にしないようにしましょう。

穴には、食後に物が詰まったりします。穴が塞がるのには、1~2ヶ月ぐらいかかります。出来るだけ清潔な状態を保つようにすると、早く塞がります。抜いた翌日からは頑張ってよくうがいをしましょう。

6-4.喫煙は控える

タバコは血管を収縮させる作用があるので、血流が減り免疫力が低下し傷口の治りが遅くなってしまう恐れがあります。喫煙は傷口が治るまで出来るだけ控えましょう。

歯を抜いた後、まれに強い痛みが続いたり、多量の出血が継続する場合があります。
そのような時は、我慢せずに早めに歯科医院に連絡をして指示を受けてください。


7. 親知らずの活用

7-1.親知らずの移植

親知らずの手前の大臼歯が、虫歯やケガなどで抜かなければならなくなった場合、親知らずをその部分に移植し、歯を補うことが可能な場合があります。ご自身の歯なので拒絶反応も出にくいのですが、年齢や全身疾患の有無、親知らずの形や生え方、骨の形態などの条件により、移植が難しい場合が多くあります。歯科医院にご相談ください。

7-2.歯髄細胞バンクを利用した再生医療への活用

親知らずの中にある歯髄とよばれる神経の組織には、歯髄細胞という細胞が入っています。
この細胞からiPS細胞を作ることができます。歯髄細胞バンクの保存基準に適応した親知らずを抜いた場合、将来に備えてご自身の歯の中にある歯髄を、歯髄細胞バンクに登録し保存しておくことが可能です(有料)。歯髄細胞バンクへの登録や歯髄細胞の保存は、認定された歯科医療施設で行うことが必要となります。ご興味を持たれた方は歯科医院にお問い合わせの上、受診されることをおすすめします。

最後に

最後まで読んで頂いてありがとうございます。「親知らずについて知っておきたい7つのこと」について、理解していただけたかと思います。親知らずの有無、その生え方も様々で、場合よっては親知らずが周りの組織に、悪い影響を及ぼすことがあります。そしてご自身ではその状態を確認することが難しく、歯ブラシも当てにくいことから、その周りに汚れが溜まりやすい歯でもあります。そのため親知らずがある方はもちろん、ご自身の親知らずの状態がわからない方も、一度歯科医院を訪れ状態のチェックをしてもらうことをおすすめします。その診査結果を基に、適切な処置を受けることで、お口の中の状態をより健康に保つことができます。

また、定期検診やクリーニングは親知らずだけでなく、他の歯の虫歯の確認や歯周病の予防に対しても、非常に重要です。しばらく歯科医院に行っていないのであれば、これを機に歯科医院で検診を受けてみてはいかがでしょうか?

上前津歯科医院の虫歯治療の特徴
上前津歯科医院では虫歯の悩みについてしっかりとお応えさせていただきます。虫歯治療では審査・診断をしっかりと行い、患者様に合った治療法を用いて治療を行います。