喫煙は歯周病の大敵です。理由はいろいろあります。
1つ目は細菌と戦うために必要な白血球の働きが鈍ってしまい、細菌は活性化し、歯周病の症状がさらに悪化してしまうこと。
2つ目にニコチンによって血管が収縮し、血流が悪くなり、歯肉の健康が阻害されてしまうこと。さらに詳しく言えば、歯肉を修復するため線維芽細胞が活発に働くことで歯肉は健康になるのですが、喫煙することによりこの細胞の働きも低下してしまいます。
歯周病菌は嫌気性菌に分類され、生育に酸素を必要としない細菌です。だから酸素に触れると働きが鈍くなったり、死滅します。酸素に触れないよう細菌の多くは、歯周ポケットの溝の中に入って過ごしています。ニコチンやタールは、歯周ポケットも含めてべったりと付着し、酸素の侵入をさらに遮断し、細菌が繁殖するための絶好の環境を作り出してしまうのです。またタバコを吸う人だけでなく、受動的に煙を吸ってしまう周囲の人にも少なからず影響を及ぼします。タバコの本数と、症状の進行度合いは比例するというデータもあります。禁煙または減煙しなければ、予防や治療を重ねても歯周病はなかなか良くはならないのが現実です。喫煙は歯周病において重大なリスクなのです。